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 平成 4年版 犯罪白書 第4編/第4章/第2節/1 

第2節 日本との比較

1 検挙人員に占める女子比

 (IV-55図)
 我が国の交通関係業過を除く刑法犯及び薬物犯罪(覚せい剤取締法違反,大麻取締法違反及び麻薬取締法違反を合わせて本節では「薬物犯罪」という。ただし,昭和30年以前は,統計がないため薬物犯罪を除く。)検挙人員に占める女子比は,戦争直後約8%にすぎなかったが,昭和38年(1963年)に10%を超えて上昇を続け,63年(1988年)には20%に達している。なお,51年(1976年)の18.6%以降,平成2年(1990年)の20.4%に至るまで女子比はほぼ20%前後で推移している。
 女子の交通関係業過を除く刑法犯及び薬物犯罪の検挙人員の実数は,戦後,昭和25年(1950年),39年(1964年),58年(1983年)をピークとする3つの山形を形成し,1950年及び1964年のピークはいずれも約5万人,1983年のピークは約9万人を記録しており,以降減少を続けて平成2年(1990年)には6万人台に落ち着いている。

IV-55図 女子検挙人員の割合(女子比)及び人口比

 1990年における我が国の女子比を諸外国と比較すると,韓国が12.1%,フランスが15.1%,イギリスが15.2%であるのを除いて約20%前後と我が国とほぼ同じ割合である。さらに女子有責人口1,000人当たりの女子検挙人員の比率を見ると,我が国は,1.2にすぎず,7か国中最も低い割合である。また,最近10年間の女子検挙者実数の経年変化を見ると,我が国のほかフランスが減少傾向,イギリス,韓国は横ばい状態,アメリカ,ドイツ,スウェーデンは増加傾向にある。