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 平成 4年版 犯罪白書 第4編/第3章/第4節/1 

第4節 女子少年院における処遇

1 在院少年の推移

(1) 新収容人員
 IV-19図は,昭和41年から平成3年までの26年間における少年院新収容人員の推移を男女別に見たものである。女子は,昭和41年には新収容人員総数8,065人のうち,658人(総数に占める女子の比率は8.2%)であったが,その後減少し,49年には戦後最低の152人となっている。処遇の個別化や処遇期間の弾力化などを基調とする少年院の新しい運営が開始された52年以降上昇に転じたものの,61年以降再び減少し,平成3年の新収容人員は516人(同11.9%)となっている。

IV-19図 少年院新収容者の男女別人員の推移

 なお,年齢層別人員の推移を見ると,昭和41年以降では,男子は年長少年の比率が各年次とも最も高くなっているが,女子は各年齢層による順位の変動はあるものの,おおむね中間少年の比率が最も高く,続いて年少少年,年長少年の順となっており,男子に比べて低年齢の者の占める比率が高い。
(2) 非行種別
 IV-20図は,昭和41年以降における新収容者の非行種別構成比の推移を男女別に見たものである。男子では一貫して窃盗の占める割合が高いのに比して,女子では虞犯と薬物事犯の割合が高く,52年以降この二つで大半を占めている。女子の薬物事犯は,53年から急増し,59年以降は30%を超え,平成3年では42.3%(覚せい剤取締法違反31.6%,毒劇法違反10.7%)となっており,特に覚せい剤取締法違反の増加が著しい。
(3) 学職別人員
 IV-21図は,昭和41年以降における新収容者に占める学生・生徒,有職者及び無職者?構成比を男女別に見たものである。女子の本件非行時における無職者は,昭和41年以降おおむね50%台から60%台で推移し,平成3年には66.1%(男子48.2%)となっている。同じく学生・生徒は,昭和41年には12.3気(男子8.5%)であったものが,その後増加し,58年には32.6%(男子15.5%)となったが,59年以降減少し,平成3年では15.5%(男子10.3%)となっており,いずれの年次においても男子より比率が高い。

IV-20図 少年院新収容者の非行種別構成比の推移

IV-21図 少年院新収容者の学職別構成比の推移

 なお,昭和41年以降における新収容者の教育程度の推移を見ると,女子では男子に比べて,各年次とも中学校在学中の者の構成比は高いが,高校以上に進学している者のそれは低くなっている。