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 平成 4年版 犯罪白書 第4編/第2章/第3節 

第3節 女子の被害者の動向

 犯罪の被害者として,女子はどのような特徴を示すのであろうか。
 犯罪統計に被害者の数が掲載されるようになったのは,昭和47年以降のことであるが,IV-10表は,47年以降について,被害者が女子である交通関係業過を除く刑法犯の認知件数を主要な罪名別に示したものである。平成3年において,交通関係業過を除く刑法犯のうち,被害者が女子である事犯は50万5,478件(総数の32.7%)であるが,そのうち,窃盗が大多数を占めている。また,実数は少ないが強制猥褻(3,061件)及び強姦(1,603件)などの性犯罪の被害者は,女子が圧倒的であり,これらの罪名以外では,殺人及び強盗など身体・生命犯の被害に遭う率がやや高く,それは,女子の身体的弱者としての特性が大きく影響しているものと思われる。

IV-10表 被害者が女子である刑法犯の主要罪名別認知件数