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 平成 4年版 犯罪白書 第1編/第4章/第5節 

第5節 日本人の国外における犯罪と被害

 最近5年間における日本人の出国者数は,I-14図のとおりであり,総数において約1.6倍に増加している。平成3年における出国者数が若干前年を下回ったのは,主として同年1月から4月にかけて発生した湾岸戦争の影響によるものと推察される。
 海外における邦人の保護に関する行政事務は,外務省が在外公館において行っているが,外務省領事移住部の資料によれば,この邦人保護事務を通じて在外公館が把握した最近の5会計年度における日本人の国外における犯罪及び犯罪被害の状況は,I-70表のとおりである。
 日本人が国外で犯罪の嫌疑を受け逮捕された場合は,原則として在外公館に通報されるが,日本人が国外で犯罪の被害に遭った場合は,特に軽微な事件については在外公館への通報がないことが多く,被害者も全員が在外公館に届け出るわけではないので,かなりの暗数があるものと推定されるが,日本人の出国者数の増加傾向を反映して,犯罪被害の件数及び人員は,在外公館が把握した分も増加しており,平成2年度(会計年度)には,それぞれ6,339件及び6,981人となっている。

I-14図 日本人出国者数の推移

I-70表 日本人の国外における犯罪及び犯罪被害の状況