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 平成 4年版 犯罪白書 第1編/第2章/第4節/3 

3 道交違反事件

 道交違反事件のうち,比較的軽微な行為について,道路交通法は「反則行為」という概念を設け,違反者に対して警察官において違反を告知し,警察本部長において反則金の納付を通告した場合において,その者が一定の期日までにこれを納付したときは,その違反行為について刑事訴追を行わないという方式を採っている。
 I-39表は,平成2年及び3年における道交違反事件の告知件数及び検察庁への送致件数を違反態様別に見たものである。3年の告知件数を違反態様で見ると,2年に比しておおむね減少しているなかで,駐停車違反は大幅に増加している。送致件数の違反態様では,保管場所法違反が大幅に増加している。これは,路上駐車に伴う交通の渋滞や事故を防止するための対策の一環として,道路交通法の一部改正(平成3年1月1日施行)及び保管場所法の一部改正(平成3年7月1日施行)が行われたことの関連であろう。
 平成3年における道交違反事件総数に占める反則事件告知件数の比率は,88.4%であり,前年に比べて0.5ポイント上昇している。告知件数に対する反則金納付件数の比率は,平成3年度(会計年度)では,96.8%であり,その納付総額は約951億円で,前年より約157億円(19.8%)増加している。
 警察庁の統計によれば,平成3年における暴走族による道路交通法違反の検挙件数は11万1,241件,検挙人員は11万3,835人で,前年より検挙件数で702件(0.6%),検挙人員で1,936人(1.7%)増加している。違反態様別に見ると,検挙件数では整備不良車両の運転等が4万5,034件(40.5%)と最も多く,以下,無免許の8,390件(7.5%),信号無視の7,775件(7.0%),速度超過の7,034件(6.3%),通行区分及び追越し違反の3,621件(3.3%)と続いている。3年では,前年に比べて,無免許(8.9%増),整備不良(2.0%増)及び信号無視(1.1%増)が増加している。

I-39表 道交違反の告知・送致件数