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1 警 察 警察では,犯罪少年を検挙する場合,犯罪少年の身柄を拘束せず,在宅のまま捜査をする場合と,犯罪少年を逮捕し(捜査機関以外の私人が現行犯逮捕した犯罪少年を引き継ぐ場合を含む。),身柄を拘束して捜査する場合とがある。逮捕された少年は,警察で釈放されて在宅扱いとなることもあるが,身柄が拘束されたまま事件が検察官に送致(以下「身柄付送致」という。)されることもある。
在宅事件については,通常は書類及び証拠物とともに検察官に送致(以下「書類送致」という。)されるが,犯罪事実が極めて軽微であり,犯罪の原因及び動機,当該少年の性格,行状,家庭の状況及び環境等からみて再犯のおそれがなく,刑事処分又は保護処分を必要としないと明らかに認められるなど,一定の要件に適合する少年事件については,警察は,成人の微罪処分の例に準じて,少年又は関係人に対し訓戒,注意等の措置をとった上で,簡易な書式による送致(以下「簡易送致」という。)をすることがある。家庭裁判所では,簡易送致事件については,原則として書面審査をもって処理し,特に問題がなければ,審判不開始となる。 III-54表 犯罪少年の送致別刑法犯検挙人員(昭和35年,40年,45年,50年,55年,60年〜平成元年) 警察では,少年非行を早期に発見して再び非行に陥らせるのを防止するため,日ごろから,少年係の警察官,婦人補導員等を中心に,盛り場,公園等非行の行われやすい場所で街頭補導を実施し,不良行為少年については,警察官等がその場で注意や助言を与えたり,必要な場合には,保護者等に対し,指導や助言をすることも行っている。III-54表は,交通関係業過(昭和45年以前は過失犯)を除く刑法犯の犯罪少年の検挙人員及びその送致状況について,35年から55年までの5年ごとの各年と60年から平成元年までの各年を見たものである。身柄付送致の比率は,昭和35年が23.4%,40年及び45年が15%前後,50年から61年が7%台,62年から平成元年が6%台となっており,下降傾向にあるといえる。また,簡易送致の比率は,昭和35年及び40年が5%前後,45年及び50年が15%前後,55年が19.6%,60年の22.4%から63年の29.7%へと上昇傾向にあるが,平成元年においては,やや下降して26.8%となっている。 |