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 平成 2年版 犯罪白書 第3編/第4章/第5節 

第5節 意識調査結果から見た非行少年の特質

 本編第3章では,少年鑑別所収容少年の実態調査結果を分析し,これらの少年が家庭を始めとする各生活領域で多くの負因な抱えていることを明らかにした。本章においては,このような条件の下に置かれた少年が,日ごろどのような意識をもって過ごしているかを少年自身に尋ね,その結果を同世代の一般少年たちのもつ意識と比較することにより,非行少年の特質を明らかにすることを目的として実施した調査の結果を分析した。
 この調査は,家庭,交友,地域・社会における一般的適応感,生活意識,価値観などを網羅的にとらえる目的で作成された23間からなるアンケート調査「青少年の生活と価値観に関する調査」で,「非行群」として,少年鑑別所収容少年合計2,117人(うち,女子428人),「一般群」として,中学校,高等学校,大学に在学中の生徒・学生合計2,060人(うち,女子732人)を調査対象者として実施したものである。
 以下,今回の調査結果から非行少年に認められる幾つかの特質を述べることとする。