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 平成 2年版 犯罪白書 第3編/第4章/第2節/2 

2 交  友

 III-28図は,友達づきあいに対する満足度を一般群と非行群で比較した結果を示したものである。全体で見ると,一般群では,満足とする者75.1%,不満とする者6.9%であるのに対して,非行群では,満足とする者70.3%,不満とする者10.3%で,非行群の方が,満足度の低い者が多くなっている。不満とする理由で両群を通じて多いものを全体で見ると,「気の合う友達がいない」(一般群50.4%,非行群49.5%),「お互いに心を打ち明け合うことができない」(一般群51.8%,非行群50.0%),「つき合っていても張り合いがなく,自分が向上しない」(一般群42.6%,非行群43.6%)などであるが,これらの理由については,両群の間に選択率の差は認められない。一方,一般群に比して非行群が多く選択した不満の理由には,「自分のすることに口出ししてくる」(一般群12.8%,非行群25.7%)及び「グループの中のまとまりが悪い」(一般群14.9%,非行群38.5%)がある。非行群では友達づきあいを通しての一体感が得にくく,周囲の者が自分に干渉してくるという感じをもちやすい傾向が認められる。

III-27図 家庭生活に対する不満の理由