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 平成 2年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/1 

第2章 検察及び裁判

第1節 検  察

1 被疑事件の受理

 II-1表は,平成元年における全国の検察庁の新規受理人員を,罪名別に前年と対比して見たものである。
 平成元年の新規受理人員総数は218万7,908人で,前年より11万3,421人(4.9%)減少している。新規受理人員の減少は,主に道交違反事件数の減少(9万6,224人減)によるものである。総数のうち,刑法犯は42.4%,特別法犯は57.6%となっており,交通関係業過を除く刑法犯は31万2,185人(総数の14.3%),道交違反を除く特別法犯は9万7,611人(同4.5%)である。なお,交通関係業過は総数の28.1%,道交違反は総数の53.2%を占めており,この両者で総数の81.3%を占めている。
 罪名別に見ると,前年と比べて,交通関係業過が2万8,842人(4.9%増),強制猥褒が93人(6.7%増),公然猥褒が11人(1.1%増)それぞれ増加しているが,その他は減少している。特に殺人は,前年の4,234人から1,913人へと減少(2,321人・54.8%減)が著しいが,これは,主として,前年まで多数を占めていた,同一受刑者による矯正職員に対する殺人未遂の告訴・告発事件が減少したことによるものである。殺人以外で減少が目立っているのは,贈収賄(267人・38.0%減),銃砲刀剣類所持等取締法違反(894人・20.1%減),賭博・富くじ(1,372人・18.5%減),覚せい剤取締法違反(4,627人・17.7%減)である。