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 平成 2年版 犯罪白書 第1編/第3章/第1節 

第3章 犯罪被害とその国家的救済

第1節 犯罪被害の実情

 I-63表は,平成元年中における犯罪(業過には交通関係業過を含まない。)により,身体・生命に被害を受けた被害者の被害状況を罪名・死傷者別に見たものである。犯罪による死者は,総数では1,446人であるが,これを罪名別に見ると,殺人によるものが754人で最も多く,総数の52.1%を占め,これに次ぐのが業過によるもの405人(総数の28.0%),傷害によるもの162人(同11.2%)となっている。犯罪により重傷の身体被害を受けた者は,総数では2,200人であり,これを罪名別に見ると,傷害によるもの1,466人(同66.6%),殺人(殺人未遂)によるもの336人(総数の15.3%),業過によるもの250人(同11.4%)の順になっている。なお,元年中における交通事故による被害者数は,警察庁交通局の統計によると,死者1万1,086人,負傷者81万4,832人となっている。
 次に,検挙された凶悪犯(殺人,強盗,放火,強姦の各罪)事件について,被疑者と被害者との関係を見たものがI-64表である。殺人は,被疑者と被害者との人間関係の確執や葛藤に起因して犯されることが比較的多いが,被疑者と被害者とが面識のない事件の割合は,平成元年は,前年より3.2ポイント上昇して14.5%となっている。