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 昭和37年版 犯罪白書 第一編/第五章/三/3 

3 再入受刑者の前刑の刑期と再犯期間

 再入受烈者の前刑の言渡刑期とその出所後の再犯期間の関係をみると,I-90表のとおり,昭和三三年から昭和三五年までの再入受刑者総数では,前刑期が一年未満のものは,その五九・三%が一年未満の再犯期間であり,一年をこえ三年以下の刑期では,その六一・七%が一年未満の再犯期間である。しかし,刑期がさらに長なると,一年未満の再犯期間の比率は減少し,三年をこえ一〇年未満の刑期は,その四六・八%,一〇年以上一五年未満は,その三〇・九%である。刑期が一五年以上または無期についてはその人数が少ないために,その傾向をみることがでないからこれを除外するとすれば,三年をこえる長期刑については,一般的にいって一年未満の再犯期間のものが短期刑に比して少なくなるといえる。もっともこの点については,長期刑の罪名によってその再犯性の頻度を考えてみる必要があろう。

I-90表 再入受刑者の前刑刑期別・再犯期間別人員と率(昭和33〜35年累計)