昭和31年以降における交通関係業過及び道交違反等交通関係法令違反な除く，暴力団関係者検挙人員の推移を見ると，I-13図のとおりである。62年は，4万257人で，前年に比べて4,808人(10.7%)の減少となっている。
　I-30表は，最近5年間における暴力団関係者の交通関係業過を除く刑法犯の検挙人員及び全検挙人員中に占める比率を，罪名別に見たものである。昭和62年における暴力団関係者の検挙人員は，2万4,396人で，前年に比べて2,368人(8.8%)減少している。罪名別では，傷害(1,248人・16.9%減)，暴行(639人・22.0%減)，窃盗(427人・13.8%減)，詐欺(159人・10.6%減)，強盗(117人・30.2%減)などが前年より大幅に減少し，逆に増加したのは，賭博(217人・7.3%増)，脅迫(164人・29.5%増)，恐喝(132人・3.0%増)などである。62年の全検挙人員中に占める暴力団関係者の比率は6.0%であり，前年より0.7ポイント低下した。暴力団関係者の占める比率が高い罪名は，脅迫(65.0%)，恐喝(40.6%)，賭博(35.4%)，殺人(29.9%)などであるが，62年に暴力団関係者の占める比率が前年より上昇した犯罪を罪名で見ると，脅迫，恐喝，凶器準備集合などであり，逆に低下したものは，強盗，傷害，殺人，賭博などである。

I-13図　暴力団関係者検挙人員の推移

I-30表　暴力団関係者の刑法犯罪名別検挙人員及び全検挙人員中に占める比率

　I-31表は，最近5年間における暴力団関係者の道交違反等交通関係法令違反を除く特別法犯の検挙人員及び全検挙人員中に占める比率を，罪名別に見たものである。昭和62年における暴力団関係者の検挙人員は，1万5,861人で，前年に比べて2,440人(13.3%)減少している。62年の全検挙人員中に占める暴力団関係者の比率は，13.4%であり，前年より1.7ポイント低下した。暴力団関係者の占める比率が高い罪名は，自転車競技法違反(64.6%)，競馬法違反(52.7%)，覚せい剤取締法違反(45.1%)などとなっている。

I-31表　暴力団関係者の特別法犯罪名別検挙人員及び全検挙人員中に占める比率

　最後に，昭和62年における暴力団関係者の刑法犯及び特別法犯の検挙人員の罪名別構成比を見ると，最も高いのは覚せい剤取締法違反の23.1%，次いで傷害の15.3%，恐喝の11.3%，賭博の7.9%，窃盗の6.6%の順となっている。