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 昭和62年版 犯罪白書 第3編/第2章/第6節/1 

第6節 少年の更生保護

1 少年の仮釈放

(1) 少年院在院者の仮退院
 少年院在院者に対する仮退院の許否の状況は,前掲II-42表のとおりで,昭和61年においては許可人員が5,625人,棄却人員が7人となっているが,III-45表は,最近3年間の仮退院許可人員を,少年院における処遇区分別に見たものである。61年は,総数5,625人(前年比0.4%減)のうち,一般短期処遇が1,723人(同4.0%減),交通短期処遇が290人(同9.4%増),長期処遇が3,612人(同0.7%増)となっている。
(2) 不定期刑受刑者の仮釈放
 少年の時に不定期刑を言い渡された不定期刑受刑者の仮釈放許否状況は,前掲II-43表のとおりで,昭和61年の許可人員は90人,棄却人員は2人(棄却率2.2%)となっているが,最近3年間に仮釈放を許可された者について,言い渡された刑期のうちの短期経過前後における許可人員及び刑の執行率(執行すべき刑期のうち,現に執行された刑期の比率)を見ると,III-46表のとおりである。短期経過前に仮釈放を許可された者の比率は,58年が37.2%,59年が33.0%,60年が31.0%と減少傾向にあったが,61年は,41.1%となり,前年に比して10.1ポイント上昇している。また,刑の長期に対する執行率を見ると,総じて早期に仮釈放になる者の比率が高くなってきていることがうかがわれる。

III-45表 仮退院を許された者の少年院における処遇区分別人員(昭和59年〜61年)

III-46表 不定期刑仮釈放の短期経過前後における許可人員及び刑の執行率(昭和59年〜61年)