III-25表は，昭和58年以降の3年間において，第一審公判で有罪の裁判を受けた少年に対する科刑状況を見たものである。60年における有罪人員総数は611人で，前年より80人(11.6%)減少している。有期の懲役又は禁錮を言い渡された少年が602人と大部分を占めているが，その78.1%に当たる470人に執行猶予が言い渡され，実刑となった者は132人(前年は130人)である。有罪人員を罪名別に見ると，業過が全体の56.6%を占め，以下，道路交通法違反(10.6%)，窃盗(9.2%)，覚せい剤取締法違反(7.2%)の順となっている。なお，第一審の裁判所は，事実審理の結果，刑事処分よりも保護処分に付するのが相当であると認めたときは，事件を家庭裁判所に移送しなければならないが，このようにして移送された者は，58年に7人，59年に6人，60年に4人となっている。