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 昭和61年版 犯罪白書 第4編/第5章/第3節/1 

1 犯罪被害者等給付金支給法

 この法律は,昭和56年1月1日から施行されたものであるが,人の生命又は身体を害する故意の犯罪により不慮の死を遂げた者の遺族又は重障害を受けた者に対し,国が犯罪被害者等給付金を支給することについて規定している。この制度は加害者側に資力がないため,被害者やその遺族が事実上救済の途を閉ざされている場合があることを考慮し,これを救済する趣旨で設けられたものである。同制度による給付金は,都道府県公安委員会に対する申請により,その裁定によって支給されるが,速やかに裁定をすることができない事情があるときは,公安委員会の決定により仮給付金を支給することもできる。

IV-68表 犯罪被害者等給付金等の裁定及び決定状況

 IV-68表は,同制度施行以来,昭和60年までの裁定及び仮給付決定状況を見たものである。60年に裁定があったのは,申請者数273人,被害者数183人で,給付金総額は約5億3,899万円であり,仮給付の決定があったのは,申請者数49人,被害者数25人で,仮給付金総額は約2,933万円である。