IV-45表は,覚せい剤事犯で検挙された者について,その前科前歴状況を示したものである。同一罪名の前科又は前歴を有する者の占める比率を見ると,昭和54年以降逐年上昇し,58年には45.9%に達している。一方,交通関係業過を除く刑法犯検挙者の場合は,同一罪名以外の前科又は前歴を含めても,その比率が54年の32.5%から58年の30.9%に低下しており(警察庁の統計による。),これに比べると,覚せい剤事犯者のうちに占める同一罪名の再犯者の比率がいかに高く,かつ,その比率の上昇傾向がいかに著しいかが分かる。なお,女子についても,比率そのものは20%台と低いが,やはり逐年上昇している。
IV-45表 覚せい剤事犯検挙者の前科前歴状況(昭和54年〜58年)