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 昭和60年版 犯罪白書 第3編/第2章/第6節/1 

第6節 少年の更生保護

1 少年の仮釈放

 (1) 少年院在院者の仮退院
 少年院在院者の仮退院を決定する権限は,第2編第4章第1節で述べたとおり地方更生保護委員会に属するが,この仮退院が許可されるのは,少年院在院者が矯正処遇の最高段階に達し,かつ保護観察に付することか少年の改善更生のために相当であると認められたとき,又は矯正処遇の最高段階に達していなくても,少年自身の努力により成績が向上し,かつ保護観察に付することが少年の改善更生のために特に必要であると認められたときである。
 仮退院の許否状況は,前掲II-36表のとおりで,昭和59年は棄却人員が1人もなく,許可人員が5,618人となっており,少年院の長から申請のあった者は,そのすべてが,仮退院を許可されている。III-44表は,最近3年間に仮退院を許された者について,少年院における処遇区分別に見たものである。59年においては,総数5,618人(前年比12.2%増)のうち,一般短期処遇が1,913人(向12.6%増),交通短期処遇が247人(同0.4%増),長期処遇が3,458人(同13.0%増)と,いずれも前年に比べて増加している。

III-44表 仮退院を許された者の少年院における処遇区分別人員(昭和57年〜59年)

 (2) 不定期刑受刑者の仮釈放
 不定期刑受刑者の仮釈放審理手続及び仮釈放許可基準は,定期刑受刑者と同様であるが,仮釈放を許可することができる時期は,刑期に短期と長期があることから,短期の3分の1を経過した後とされている。
 不定期刑受刑者の仮釈放許否状況は,前掲II-37表のとおりで,昭和59年の棄却率では0.9%,許可人員では106人となっているが,最近の3年間に仮釈放を許可された者について,許可の時期を短期経過の前後に分けた上,その人員を見ると,III-45表のとおりである。短期経過前に仮釈放を許可された者の比率は,57年が23.9%,58年が37.2%と上昇傾向にあったが,59年では33.0%と低下している。

III-45表 不定期刑仮釈放の短期経過前・後の許可人員(昭和57年〜59年)