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 昭和60年版 犯罪白書 第2編/第3章/第2節/6 

6 保  安

 行刑施設の安全と秩序を維持する作用は,受刑者の処遇が円滑に行われるための基礎となるものである。
 保安の状況を最も端的に把握するために,行刑施設における逃走等の主要事故の発生状況を見ると,II-33表のとおりである。昭和59年の事故発生件数は19件で,前年より1件増加したにとどまっている。収容人員が増加傾向にあり,とりわけ暴力団関係者,覚せい剤事犯者等の処遇困難者が逐年増加しているにもかかわらず,事故発生件数は近年,総体的に低い数値で推移しており,保安状況はおおむね平穏であるといえる。

II-33表 行刑施設事故発生状況(昭和40年,50年,57年〜59年)

 なお,暴力団関係犯罪者及び覚せい剤事犯者を含む薬物犯罪者に対する処遇等については,それぞれ第4編第3章第1節及び第3節で詳述する。