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 昭和60年版 犯罪白書 第1編/第4章/第2節/3 

3 証人等の被害についての給付に関する法律

 この法律は,刑事事件の証人又は参考人が,裁判所又は捜査機関に対して供述を行い,又はそのために出頭することについて,その者や近親者が他人から身体又は生命に害を加えられた場合に,国において療養その他の給付を行うことを規定している。なお,昭和60年6月1日から本法の改正により,国選弁護人がその職務を行い若しくは行おうとしたことにより,同人又はその近親者が上記同様の被害を受けた場合も給付が行われることとなった。この給付は,法務大臣に対する請求により,その裁定によって支給される。
 この法律は,昭和33年から施行されているが,法務省刑事局の資料により,その給付状況を見ると,36年に2件,39年に1件,44年に1件,58年に1件となっており,58年の事例は,公判廷で証言中の証人が被告人によって顔面を殴打されて全治6日間の挫傷を負わされたもので,療養給付金5,050円が支給されている。59年中は給付が行われていない。