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 昭和60年版 犯罪白書 第1編/第2章/第7節/1 

第7節 精神障害者の犯罪

1 概  説

 昭和59年における交通関係業過を除く刑法犯検挙人員は,I-42表のとおり,44万6,617人(成人25万3,952人,少年19万2,665人)で,このうち,「精神障害者」又は「精神障害の疑いのある者」(精神障害のため自傷他害のおそれがあるとして精神衛生法24条に基づく都道府県知事への通報の対象とされた者)は2,487人(成人2,286人,少年201人)である。なお,警察官から精神衛生法24条に基づき都道府県知事に通報された者のうち,65.0%は精神衛生鑑定医の診察の結果,精神障害者と認定されている(後出58ページ,I-44表参照)。検挙人員中に占める精神障害者及びその疑いのある者の比率は0.6%(成人0.9%,少年0.1%)であるが,罪名ごとの比率を見ると,殺人で9.1%,放火で15.4%と目立って高くなっている。