昭和59年における特別法犯の検察庁新規受理人員(検察庁間の移送,家庭裁判所からの送致及び再起の人員を含まない。)を罪名別に見ると,I-11表のとおりである。59年の新規受理人員総数は,247万973人で,前年より6万6,774人(2.8%)増加している。罪種別に前年と比較してみると,交通関係で8万6,545人(3.9%),保安関係で1,459人(11.9%),風俗関係で1,173人(6.5%),地方公共団体条例で738人(12.1%)とそれぞれ増加し,減少しているのは,公職選挙法違反の2万822人(69.7%),財政経済関係の329人(14.0%),薬物関係の230人(0.4%),外国人関係の196人(4.1%)などである。
I-11表 特別法犯の検察庁新規受理人員(昭和58年,59年)
公職選挙法違反の減少は,前年に全国的規模の統一地方選挙,参議院議員通常選挙及び衆議院議員総選挙が施行されたのに,昭和59年にはそのような大規模な選挙がなかったことによるものである。道路交通法違反は増加傾向が続いているが,覚せい剤取締法違反は前年に続いて減少し,外国人登録法違反は55年の8,946人から逐年減少し,59年には55年の半数以下の3,934人となっている。