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 昭和59年版 犯罪白書 第2編/第3章/第4節 

第4節 カードをめぐる犯罪

 近年,キャッシュ・カード,クレジット・カード等のカードを利用した取引は,増加の一途をたどり,これから本格的に迎えるキャッシュレス社会の花形として脚光を浴びるに至っている。ところが,このカード取引の普及に伴い,カード取引の盲点を突いた犯罪が続発し,いわゆる現代型犯罪の一つとして,近年社会の注目を集めている。流通しているカードは多種類にわたり,利用目的も多様化しているので,カードをめぐる犯罪の態様も区々であり,適用される罪名も多種にわたっている。
 そこで,本節では,現在多発している,キャッシュ・カードを不正に使用して現金自動支払機(CashDispenser)又は自動金銭出納機(Automated TellerMachine)(以下両機を合わせて「CD機」という。)から現金を窃取するのを主な手口とするCD機の盲点を突いた犯罪(以下「CD犯罪」という。)と消費者信用取引の中心として注目を浴びつつあるクレジット・カードをめぐる犯罪とに分けてその概要を紹介することとする。