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 昭和58年版 犯罪白書 第2編/第3章/第2節/1 

第2節 各暴力犯罪者の再犯状況

1 殺  人

 II-56表は,殺人の期間別平均再犯率等の推移を見たものである。
 まず,一般再犯について見ると,昭和30年代前期(30年から34年までの5年間をいう。以下同様の例による。)の平均再犯率が,実刑者で49.1%(単年次では30年の54.5%),執行猶予者で25.0%(単年次では26年の41.7%)とそれぞれ最も高い再犯率を示している。
 次に,暴力再犯の再犯率は,実刑者の場合昭和30年代前期に29.7%(単年次では32年の36.7%),執行猶予者の場合40年代前期に14.4%(単年次では26年の22.2%)とそれぞれ最高になっている。

II‐56表 殺人事犯者の再犯率(昭和25年〜57年)

 殺人においては,先にも見たように,全体として他の罪種に比べて再犯率が低いが,ことに同一再犯の再犯率は極めて低く,実刑者,執行猶予者ともほんの数パーセントにとどまる。しかし,ここでも実刑者の方が執行猶予者に比べて再犯率が高い傾向を示している。