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 昭和58年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/4 

4 矯正施設における精神障害者

 I-74表は,昭和56年及び57年の各12月20日現在の刑務所及び少年院における精神に障害のある収容者数を見たものである。57年における精神障害者数は,刑務所で3,506人,少年院で245人で,収容人員に対する比率は,前者が8.2%,後者が5.9%となっており,刑務所における比率が前年よりやや下降し,少年院ではやや上昇している。

I-74表 矯正施設収容中の精神障害者(昭和56年,57年各12月20日現在)

 I-75表は,昭和57年における新受刑者のうち,精神診断結果の不詳な391人を除く3万1,006人について,精神診断名と罪名の関係を見たものである。精神障害のない者は2万9,667人(95.7%)で,精神障害のある者は1,339人(4.3%)である。精神障害名別に見ると,精神薄弱が654人,精神病質315人,神経症60人,その他の精神障害310人となっている。罪名別に精神障害のある者の比率を見ると,放火で11.8%と最も高く,以下,窃盗(7.4%),殺人(6.4%),強姦・強制わいせつ(6.0%),強盗(6.0%),詐欺(5.4%)の順となっている。

I-75表 新受刑者の罪名別精神診断(昭和57年)