I-45表は，最近5年間における日本人の出国者を渡鉱先別に示したものである。昭和54年まで年々増加してきた出国者の総数は，55年には減少したが，56年から再び増加に転じ，57年には408万6,138人となっている。これを渡航先別に見ると，57年は，アメリカが34.0%，アジア地域が50.0%を占め，前年とほぼ同様の傾向となっている。

I-45表　渡航先別日本人出国者数

　日本人の国外における犯罪について，国際刑事警察機構等を通じて警察庁が通報を受理した件数は，I-46表のとおりである。通報受理件数は，昭和54年に139件まで増加したものが，55年にはいったん減少し，その後再び増加して，57年は114件となっている。罪種別の通報受理件数を見ると，麻薬・覚せい剤事件が前年同様30件(26.3%)で最も多く，次いで，関税・為替管理法違反が27件(23.7%)である。殺人は4件で，フィリッピンにおける保険金目的の殺人事件などがある。
　なお，昭和57年における国外犯の犯罪地を見ると，韓国が32件で最も多く，以下，タイ(15件)，フィリッピン(11件)，台湾(6件)，ドイツ連邦共和国(5件)，アメリカ，インド及び香港(各4件)など世界の各地に及んでいる。

I-46表　日本人国外犯の罪種別通報受理件数