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 昭和58年版 犯罪白書 第1編/第2章/第1節/1 

1 概  況

I-23表 公務員犯罪の罪名別検察庁新規受理人員

 I-23表は,最近3年間において検察庁が受理した公務員による道交違反を除く犯罪を罪名別に示したものである。昭和57年の受理人員総数は,前年より842人(4.0%)増加して2万1,980人となっている。罪名別の受理人員を見ると,業過が1万7,099人(刑法犯の79.9%,全体の77.8%)と圧倒的に多く,57年の検察庁の新規受理人員総数(道交違反を除く。)における業過の構成比(刑法犯の55.8%,全体の48.6%)と比較しても,公務員の場合の方が,業過の占める割合が著しく高くなっている。57年における特別法犯の受理人員は570人で,前年同様,55年のほぼ半数である。従来,大規模な選挙が行われた年は,公職選挙法違反による受理人員が相当数に上っていることから見て,ここ両年は大規模な選挙が行われなかったことがその理由であると思われる。
 I-24表は,最近3年間における道交違反を除く公務員犯罪の処理状況を示したものである。昭和57年における起訴人員総数は,前年より782人増の1万2,370人となっている。起訴率は,全体で58.1%である。罪名別で見ると,刑法犯では,収賄が71.4%と最も高く,業過の66.4%がこれに次いでいる。職権濫用に対する起訴は例年極めてまれで,57年においてもすべて不起訴とされているが,これは,この種事件の大部分が,警察,検察,裁判,矯正等の職員に対する告訴・告発事件であって,事実自体が犯罪とならないもの,あるいは,犯罪の嫌疑がないものなどが多いためである。この種事件については,不起訴処分に不服がある者は,裁判所に対して付審判(準起訴とも呼ばれる。)の請求をすることができる。I‐25表は,付審判請求に対する裁判所の決定状況を見たものであるが,この5年間で付審判の決定がなされたのは,52年,55年,56年に各1件あるのみである。

I-24表 公務員犯罪の罪名別検察庁処理人員

I-25表 付審判請求事件決定状況