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1 少年の仮釈放 少年の仮釈放については,少年院在院者の仮退院及び不定期刑受刑者の仮出獄について述べる。
(1) 少年院在院者の仮退院 少年院からの出院には,満齢又は満期による退院のほか,地方更生保護委員会の許可決定による仮退院及び退院がある。最近における出院事由別の出院人員を見ると,昭和56年の出院者総数4,729人のうち,仮退院による者が4,285人で90.6%に当たり,前年に比べて若干減少している。 仮退院は,少年院在院者が,矯正処遇の最高段階に達し,社会内での処遇である保護観察に付することか,少年の更生のために相当であると認められたとき,又は矯正処遇の最高段階には達していないが,少年自身の努力により成績が向上し,保護観察に付することか少年の改善更生のために特に必要であると認められたときに許される。 III-61表 処遇区分別少年院仮退院の許否状況(昭和54年〜56年) III-62表 不定期刑仮出獄の短期経過前・後の許可人員の比率(昭和54年〜56年) 地方更生保護委員会が最近3年間に受理した仮退院審理事件及び許否の状況は,前掲II-56表及びII-57表のとおりであるが,仮退院の許否状況について,これを少年院の一般短期処遇,交通短期処遇,長期処遇別に見ると,III-61表のとおりである。昭和56年においては,一般短期処遇,交通短期処遇共に各1人,長期処遇で4人が棄却されたにすぎない。(2) 不定期刑受刑者の仮出獄 不定期刑受刑者の仮出獄審理の手続及び仮出獄許可の基準は,定期刑受刑者と同様であるが,仮出獄を許すことができる時期は,刑の短期の3分の1を経過した後とされている。 最近3年間における不定期刑受刑者の仮出獄の許否状況は,前掲II-57表のとおり,棄却率は低下してきており,昭和56年では2.2%で,同年における定期刑受刑者の棄却率8.7%の約4分の1となっている。 仮出獄を許された者について,刑の短期経過前の出所者と短期経過後の出所者との比率を見ると,III-62表のとおりである。短期経過前に仮出獄した者の割合は,昭和54年では36.3%,55年は17.8%に下降したが,56年では21.8%と上昇している。 |