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 昭和57年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/7 

7 学校と非行

 III-25表は,昭和41年以降における少年刑法犯検挙人員中に占める学職別構成比の推移を見たものである。41年と56年を比べると,学生・生徒の比率は,47.7%から77.2%へと著しく増加している。その内訳を見ると,56年において,中学生が37.5%で最も多く,高校生の35.6%を上回っているのが注目される。

III-25表 少年刑法犯検挙人員学職別構成比(昭和41年,50年,55年,56年)

 III-26表は,昭和41年以降における交通関係業過を除く少年刑法犯について,中学生,高校生別検挙・補導人員と,その在校生総数に対する比率な見たものである。中学生,高校生共に,検挙・補導人員は激増しているが,同時に,在学生総数に対する比率も,それぞれ急激に上昇し,特に,中学生において,比率の上昇が著しい。

III-26表 少年刑法犯学生・生徒別検挙・補導人員及びその在学生に対する比率(昭和41年,50年,55年,56年)

III-27表 学校内暴力事件の発生状況(昭和52年〜56年)

 近年,学校内暴力が社会的に重大な関心を集めている。
 III-27表は,最近5年間における学校内暴力事件の発生状況を見たものである。昭和56年について見ると,発生件数は2,085件で,前年より527件(33.8%)増加し,また,補導人員の総数は1万468人で,前年より1,410人(15.6%)増加している。しかし,1件当たりの被害者数及び1件当たりの補導人員は,前年に比べてそれぞれ減少している。補導人員を中学生,高校生別に見ると,中学生において増加傾向が顕著に認められる。