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 昭和57年版 犯罪白書 第2編 /第3章/第1節/7 

7 新受刑者の累犯・非累犯,初入者・再入者別の状況

 II-35表は,新受刑者のうち,有期の懲役受刑者について,刑法上の累犯・非累犯別の比率を見たものである。昭和56年における累犯の比率は53.4%であり,最近男子の累犯者率に微増傾向が見られる。性別では,男子の累犯者率54.2%に比べて,女子は30.6%とかなり低率である。

II-35表 新受刑者の累犯・非累犯別人員の比率(昭和40年,45年,50年,55年,56年)

II-36表 新受刑者の入所度数別人員の比率(昭和40年,45年,50年,55年,56年)

 新受刑者を入所度数別に見ると,II-36表のとおりである。昭和56年における初人者と再入者(入所2度以上の受刑者)の割合は,初入者が40.2%,再入者が59.8%で,再入者がわずかながら増加する傾向を示している。再入者の中では,2度目の者の占める比率(18.2%)が最も高いが,入所度数6度以上の入所者(15.0%)がこれに次いで高率である。
 次に,新受刑者中の再入者で前刑出所前の犯罪による再入者を除いた者について,前刑出所後本犯までの期間(以下「再犯期間」という。)の累積率を見たのが,II-37表である。昭和56年では,再入受刑者(1万7,880人)の26.5%が前刑出所後6月未満で再犯をして入所しているが,これを1年未満で見ると,45.9%に上っている。なお,前刑満期釈放であった再入受刑者1万141人と仮釈放であった再入受刑者7,739人とについて再犯期間を比較すると,前刑出所後1年未満で再犯をしている者は,仮釈放者の場合は37.0%であるのに対して,満期釈放者では52.7%であり,同じ再入受刑者であっても,満期釈放者の方が仮釈放者よりも比較的早い時期に再犯に陥る傾向が見られる。

II-37表 新受刑者中再入者の前刑出所事由別再犯期間累積率(昭和56年)

II-38表 新受刑者中暴力組織加入者数(昭和45年,50年,54年〜56年)