II-24表は,昭和53年以降の3年間の通常第一審における審理期間を地方裁判所及び簡易裁判所別に見たものである。地方裁判所について見ると,3か月以内に終局に至るものの比率は逐年上昇を続け,55年では前年より2.8%増加して64.2%となり,その他の区分ではいずれも前年より減少しており,審理期間の短縮化が進んでいると言えよう。
簡易裁判所について見ると,昭和55年では3か月以内に終局に至るものの比率が81.1%と8割を超え,その他の区分はいずれも前年より減少しており,審理期間の短縮化が進められていると言えよう。
II-25表 起訴から上訴審終局までの審理期間の構成比(昭和53年〜55年)
次に,起訴時を起算点とする上訴審の審理期間を昭和53年以降の3年間について見ると,II-25表のとおりである。控訴審について見ると,6か月以内に終局に至るものの比率は,逐年上昇を続け,55年では前年より1.7%増加して22.5%となっており,控訴審においても審理期期の短縮化に向かっていると言えよう。ただ,3年を超えるものの比率が前年よりわずかではあるが上昇しており,今後の動向が注目される。上告審について見ると,55年には,1年以内に終局に至るものの比率が,前年より7.5%と大幅に上昇するとともに,その他の区分はいずれも減少しており,審理期間は大幅に短縮されていると言えよう。以上のとおり全般的に見て審理期間は短縮化に向かっており,迅速裁判の要請にこたえていると言えよう。