II-3表は，昭和56年における業過及び道交違反を除く検察庁既済事件について，被疑者の逮捕・勾留の状況を罪名別に示したものである。警察で逮捕して身柄で送致した事件及び検察庁で逮捕した事件(身柄事件)の占める比率(身柄率)は21.2％で，前年より1.1％増加している。なお，在宅事件(警察で逮捕後釈放した事件及び逮捕しなかった事件)の占める比率は78.8％である。56年における罪名別の身柄率を見ると，前年同様，強姦の65.0％が最も高く，以下，強盗(63.0％)，覚せい剤取締法違反(49.3％)，恐喝(45.9％)の順となっている。身柄事件のうち，検察官によって勾留請求された事件の占める比率(勾留請求率)は，総数では81.0％(前年は80.5％)であるが，罪名別では，殺人(99.0％)を最高として，以下，覚せい剤取締法違反(96.4％)，強姦(90.9％)，強盗(90.5％)，恐喝(89.7％)の順となっている。勾留請求事件のうち，裁判官によって勾留が許可された事件の比率(勾留許可率)は，総数で99.6％(前年は99.5％)と高い比率となっている。

II-3表　罪名別検察庁既済事件の逮捕・勾留別人員(昭和56年)