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 昭和57年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/1 

第2節 精神障害者の犯罪

1 概  況

 昭和56年における交通関係業過を除く刑法犯検挙人員は,I-76表のとおり,41万8,162人(成人23万3,260人,少年18万4,902人)で,このうち,「精神障害者」又は「精神障害の疑いのある者」(精神障害のため自傷他害のおそれがあるとして精神衛生法第24条に基づく都道府県知事への通報の対象とされた者)は3,000人(成人2,760人,少年240人)である。なお,警察官から精神衛生法第24条に基づき都道府県知事に通報した者のうち,66.2%は精神衛生鑑定医の診察の結果,精神障害者と鑑定されている(後記89ページ,I-78表参照)。検挙人員中に占める精神障害者及びその疑いのある者の比率は0.7%(成人1.2%,少年0.1%)であるが,罪名別に見ると,殺人が11.6%,放火が17.7%と目立って高い比率を示している。

I-76表 刑法犯検挙人員中精神障害者の罪名別人員(昭和56年)