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 昭和56年版 犯罪白書 第3編/第2章/第5節/1 

1 収容者の状況

 III-60表は,婦人補導院の人出院状況を見たものであるが,昭和55年について見ると,新収容者数は,前年より1人減の20人である。

III-60表 婦人補導院の人出院状況(昭和33年,35年,40年,45年,50年,54年,55年)

 昭和33年に開設された婦人補導院には,55年までに3,184人が新たに収容されているが,この新収容者の特性を,年齢,知能指数,売春経験年数,刑事処分歴などについて見ることとする。
 III-5図は,新収容者の年齢について見たものである。これによると,20歳代が42.7%と最も多いが,40歳以上の者も20.8%を占めている。
 新収容者の知能指数を段階別に見ると,III-6図に示すとおりである。知能指数90以上の者は10.4%,限界級といわれる70台が20.8%,70未満が53.4%と半数以上を占め,知能指数の低い者の多いことがうかがわれる。
 III-7図は,新収容者の売春経験年数を見たものであるが,半数以上の者が5年を超えており,15年以上の者も少なくない。
 新収容者の刑事処分歴を見るとIII-8図のとおりで,刑事処分歴のある者が9割以上を占め,その大部分は売春関係の法令違反である。

III-5図 婦人補導院新収容者の年齢層別構成比(昭和33年〜55年の累計)

III-6図 婦人補導院新収容者の知能指数別構成比(昭和33年〜55年の累計)

III-7図 婦人補導院新収容者の売春経験年数別構成比(昭和35年〜55年の累計)

III-8図 婦人補導院新収容者の刑事処分歴別構成比(昭和36年〜55年の累計)