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 昭和56年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/5 

5 医療及び衛生

 行刑施設には,その規模や業務内容に応じて,医務部又は医務課が置かれ,受刑者の傷病の治療に当たっている。また,M級(精神障害者)及びP級(身体上の疾患又は障害のある者)で専門的治療処遇を必要とする受刑者に対する医療を推進するため,全国に五つの医療専門施設(八王子・岡崎・城野の各医療刑務所及び大阪・菊池の各医療刑務支所)が設置されている。
 このほか,おおむね各矯正管区を単位として,全国で五つの医療重点施設(名古屋・広島・福岡・宮城・札幌の各刑務所)が指定され,一般の刑務所に比べて人的・物的に整備された医療体制の下で,専門的治療を要する者,長期の療養を要する者等に対する医療を行い,医療センターとしての役割を果たしている。
 なお,病状により必要な場合には,外部の専門医の診療を受けさせ,また,施設内で適当な治療を施すことができない患者には,支障のない限り,一時,外部の病院に入院させて,医療の万全を期している。
 行刑施設における医療関係職員の定員内訳は,III-53表のとおりであるが,このほか,医務部課長の管理事務を助けるために,看守長又は副看守長が配置され,医務部課のサービス部門を監督するほか,病気の受刑者に対する面接指導を行うなど,医療処遇の側面的援助を行っている。
 なお,行刑施設における医療専門職員の充実を図るため,看護士(婦)については,昭和41年から八王子医療刑務所に准看護人養成所が設けられている。56年3月末までに同養成所を卒業した准看護士(婦)の総数は,267人となっている。

III-53表 行刑施設における医務技官定員内訳(昭和56年4月1日現在)