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 昭和56年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/1 

第2節 精神障害者の犯罪

1 概  況

 昭和55年における交通関係業過を除く刑法犯検挙人員は,I-70表のとおり,39万2,113人(成人22万6,040人,少年16万6,073人)である。このうち,精神障害者又はその疑いのある者(精神障害のため自傷他害のおそれがあるとして警察官から精神衛生法第24条に基づく都道府県知事への通報の対象とされた者)は3,147人(成人2,859人,少年288人)である。なお,警察官から精神衛生法第24条に基づき都道府県知事に通報した者のうち,68%強は精神衛生鑑定医の診察の結果,精神障害者と鑑定されている(後記87ページ,I-72表参照)。検挙人員中に占める精神障害者及びその疑いのある者の比率は0.8%(成人1.3%,少年0.2%)であるが,罪名別では,殺人が12.4%,放火が20.4%と目立っている。