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 昭和55年版 犯罪白書 第4編/第3章/第4節/4 

4 保護観察の終了

(1) 終了事由
 昭和30年以降の保護観察処分少年の終了事由の変遷を見ると,IV-81表のとおりである。30年においては,満期・満齢によって終了したものが71.8%,保護観察を解除されたものは14.4%,保護処分を取り消されたものは12.9%であったが,54年には,解除が62.5%に増加し,満期・満齢によるものが26.4%に減少し,保護処分の取消しは10.5%とやや減少している。

IV-81表 保護観察処分少年の終了事由別人員

(2) 保護観察の解除
 保護観察を解除された者の割合の推移を一般事件と交通事件に分けて見ると,IV-21図のとおり,交通事件は,昭和36年以降6割前後の解除率で推移してきたが,50年からはその割合が増加し,52年には81.5%が解除されている。また,一般事件の解除率も徐々に上昇し,54年には46.7%が解除されるに至っている。

IV-21図 交通事件・ 一般事件別解除率の推移

(3) 保護観察の成績
 保護観察が終了したときの状態を良好,普通,不良の3段階に分けて評定して,昭和30年以降について見てみると,IV-82表のとおりである。良好とは,解除により終了した者及び行状が安定した状態で終了した者をいい,不良とは,保護処分を取り消された者及び行状が不安定なまま若しくは所在不明のままで終了したものをいう。これによれば,30年には良好と普通がほぼ同じで37%前後,不良が25%弱と,三つの区分の差が比較的少なかったが,その後,成績良好で保護観察を終了するものの割合が増加し,50年以降は7割を超えている。

IV-82表 保護観察処分少年の終了時の成績別人員

 一方,成績の不良のものの割合は,昭和35年にやや増加した後は下降傾向を見せ,50年には12.5%となったが,54年にはやや増加して,15.2%となっている。