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 昭和55年版 犯罪白書 第4編/第2章/第3節/1 

第3節 婦人補導院収容者の処遇

1 婦人補導院における処遇

(1) 新収容者数
 婦人補導院は,昭和33年以降54年までに8,164人を新たに収容している。その年次別人員は,IV-38表のとおりであり,35年には408人と最も多かったが,最近は減少の傾向が著しく,54年には21人となっている。
(2) 新収容者の特徴
ア 年  齢
 新収容者の年齢について見ると,IV-39表に示すように,昭和33年,35年当時は20歳代が最も多く,次いで30歳代となっていたが,40年,50年,54年と時代が移るにつれて新収容者の年齢が高齢化しており,54年では,40歳以上が38.1%を占めている。
イ 知能指数
 新収容者の知能指数を段階別に見ると,IV-40表に示すとおり,90以上の者はどの年次を見ても少なく,限界級といわれる70台が2割前後で,70未満がかなりの数を占めており,特に,60未満の知能の低い者の数が多く,昭和50年で32.1%,54年で23.8%を占めている。
ウ 処分歴
 新収容者の保護処分歴及び刑事処分歴の有無を示したものが,IV-41表である。これを見ると,保護処分歴のある者は少ないが,刑事処分歴のある者は多く,この傾向は,開設当初も最近も同じであり,昭和54年では,刑事処分歴のある者が90.5%,保護処分歴のある者が19.0%となっている。
エ 入院回数
 新収容者の婦人補導院への入院回数を見ると,IV-42表に示すよ6に,昭和38年は開設の年であるから,当然,初人者だけであるが,時代が移り変わるにつれて,入院回数2度以上の再入者の割合が多くなっており,54年は,42.9%の者が2度以上の入院歴を有している。

IV-38表 婦人補導院の入院状況

IV-39表 新収容者の年齢層

IV-40表 新収容者の知能指数段階

IV-41表 新収容者の処分歴の有無

IV-42表新収容者の入院回数