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 昭和55年版 犯罪白書 第4編/第2章/第1節/4 

4 更生緊急保護

 更生緊急保護は,刑務所からの満期釈放者,保護観察の付かない執行猶予者,起訴猶予者等保護観察に付されていない者及び仮出獄者で保護観察が終了した者に対して,これらの者からの申出があり,その必要性が認められた場合,これらの者が刑事上の手続による身体の拘束を解かれてから6箇月以内の間において行われる。
 満期釈放者及び仮出獄期間満了者である刑の執行終了者に対する昭和41年,45年,50年及び51年から54年までの一時保護及び52年までの継続保護別更生緊急保護の実施人員は,IV-17表のとおりである。食事,衣料の給与,医療の援助等の一時保護は,41年では4,127人であったが,45年以降は2,000人台となっている。また,更生保護会に収容して継続的に食事付宿泊等を供与する継続保護は,41年では6,278人であったが,一時保護と同様その後減少し,50年以降は4,000人台となっている。
 宿泊保護施設である更生保護会は,昭和25年以降30年代の前半までは新設が見られたが,その後は廃止されるものが少なくなく,35年では158施設(年末現在事業中のもの)を数えていたが,54年では104施設に減少している。更生保護会は,保護観察所長からの委託を受けて,保護観察中の者や更生緊急保護の適用を受ける者の保護を行うほか,委託の期間を過ぎても自立できない者などをも任意で収容して保護している。35年から50年までの5年ごと及び51年から54年までの更生保護会数及び1人の1宿泊を1人とする保護延べ人員を委託保護・任意保護別に見ると,IV-18表のとおりである。任意保護の人員が,最近数年では委託保護人員の約4分の1に減少しており,54年では,委託保護が43万7,470人(82.7%),任意保護が9万1,623人(17.3%)となっている。

IV-17表 刑の執行終了者に対する一時保護及び継続保護の実施人員

IV-18表 更生保護会数及び委託・任意別保護延べ人員