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 昭和55年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/3 

3 被疑者の逮捕と勾留

 昭和54年における被疑者の逮捕・勾留状況を罪名別に見ると,II-3表のとおりである。逮捕関係では,検察庁既済事件のうち,身柄事件(警察で逮捕して身柄で送致した事件及び検察庁で逮捕した事件)の占める比率(身柄率)は19.6%であり,在宅事件(警察で逮捕後釈放した事件及び逮捕しなかった事件)の占める比率は80.4%である。53年と比較すると,身柄率が1.4%減少している。54年における罪名別の身柄率を見ると,強盗の65.7%が最も高く,強姦(61.6%),殺人(51.9%),恐喝(47.2%),覚せい剤取締法違反(45.7%)の順となっている。勾留関係では,身柄事件のうち,検察官によって勾留請求された事件の占める比率(勾留請求率)は81.6%であり,勾留請求事件のうち裁判官によって勾留が許可された事件の比率(勾留許可率)は99.5%で,ほぼ前年と同率である。罪名別に勾留請求率を見ると,殺人(98.9%)を最高として,以下,覚せい剤取締法違反(97.0%),恐喝(92.8%),強姦(92.5%),強盗(91.7%)の順となっている。

II-3表 罪名別検察庁既済事件の逮捕・勾留別人員