前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和55年版 犯罪白書 第1編/第2章/第8節/2 

2 日本人の国外犯

 I-80表は,最近5年間における日本人の出国者を渡航先別に示したものである。出国者の総数は,年々増加し,昭和54年には403万8,298人に達した。これを渡航先別に見ると,54年においては,中国(台湾)を初めとするアジア地域が最も多く52.4%であり,アメリカが33.0%となっている。

I-80表 渡航先別日本人出国者数

 I-81表は,日本人の国外における犯罪について,国際刑事警察機構等を通じて警察庁が通報を受理した件数を罪種別に示したものである。通報受理件数は,昭和50年以降増減を繰り返しているが,54年には前年より19件増加して139件となっている。また,通報された人員は177人で,前年より31人の増加となっている。罪種別に見ると,関税・為替管理事犯が44件で首位を占め,以下,麻薬・覚せい剤事犯,傷害・暴行,詐欺・偽造などの順となっている。

I-81表 日本人国外犯の罪種別通報受理件数

 昭和54年の犯罪地は,世界の各地域に及んでおり,アメリカ32件,韓国28件,フィリピン14件,タイ12件,ドイツ連邦共和国9件,スペイン8件,インド5件,香港4件,その他の地域27件となっている。