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1 公務員犯罪の受理・処理 I-52表は,最近3年間において検察庁が受理した公務員(公社・公団の職員のようないわゆる「みなす公務員」を除く。)による道交違反を除く犯罪を罪名別に示したものである。受理人員総数は,昭和47年以降53年までほぼ1万9,000人台を維持していたが,54年においては,前年より786人増加して2万166人と初めて2万人台に達している。罪名別の受理人員を見ると,刑法犯では,業過が1万4,970人(刑法犯の79.5%,全体の74.2%)と前年より627人増加した以外は,いずれも減少している。特別法犯は,54年には前年より669人増加して1,337人となっている。54年において,特別法犯の受理人員が増加した原因の一つは,同年に統一地方選挙,衆議院議員総選挙が行われ,公職選挙法違反による人員が大幅に増加したためなどである。54年においては,地方公務員による覚せい剤取締法違反事件も発生しており,覚せい剤の社会へのまん延傾向がここにも現れているといえよう。
I-53表は,最近3年間における道交違反を除く公務員犯罪の処理状況を示したものである。昭和54年における起訴人員総数は1万988人で,その84.1%は業過によって占められている。起訴率は,全体で55.6%である。罪名別で見ると,刑法犯では収賄が68.6%と最も高く,業過(63.3%)がこれに続いている。職権濫用に対する起訴は例年極めてまれで,54年においてもすべて不起訴とされているが,これは,この種事件の大部分は,警察,検察庁,裁判所,矯正施設等の職員に対する告訴・告発事件であるが,事実自体が犯罪とならないもの,あるいは,犯罪の嫌疑がないものなどが多いためである。この種事件については,不起訴処分に不服がある者は,裁判所に対して付審判の請求をすることができる。I-54表は,49年以降の5年間における付審判請求事件の決定状況を示したものであるが,この5年間で付審判の決定がなされたのは,50年に2件,52年に1件あるだけで,53年においては1件もない。 I-53表 公務員犯罪罪名別検察庁処理人員 I-54表 付審判請求事件決定状況 |