III-3図　少年鑑別所入所人員の推移

　III-3図は，昭和24年以降における全国少年鑑別所の入所人員の推移を示したものである。26年の4万3,014人を最高に，43年までは3万人台を持続してきたが，その後減少し，49年には1万1,560人と最低値を記録した。しかし，50年から再び増勢に転じ，III-44表のとおり53年における入所人員は1万5,846人で，前年に比べて2,203人，16.1％の増加であり，男女別では，男子の15.7％の増加に対し，女子の19.0％の増加が注目される。

III-44表　少年鑑別所入所人員及び1日平均収容人員(昭和51年〜53年)

　昭和53年における出所人員は，1万5,778人であるが，出所事由別に見ると，保護観察が4,719人(29.9％)で最も多く，次いで，少年院送致が3,785人(24.0％)，試験観察が2,824人(17.9％)，観護措置取消しが1,124人(7.1％)，審判不開始・不処分が905人(5.7％)，検察官送致が352人(2.2％)，教護院・養護施設送致が217人(1.4％)などとなっている。
　少年鑑別所における観護処遇は，的確な鑑別が実施でき，少年が安んじて審判を受けられ，かつ，少年の出所後の自立，更生の契機となるように，所内の環境を明るく平静なものに整え，規則正しい起床，食事，運動，テレビ・ラジオの視聴，入浴，面会，通信，読書，就寝等の日課を定め，日常の生活指導を行うとともに，必要に応じて，前述の探索処遇を実施している。
　観護業務は，以上の処遇のほか，収容少年の身柄の保全と規律の維持に責任を負っている。
　このように，観護業務は，適正な鑑別と不可分な関係にあり，また，その処遇は，保護処分決定後の矯正・保護の処遇の出発点的な位置を占めるものであるので，これをより充実させ，より統一的なものにするために，昭和53年から，数箇所の少年鑑別所において，標準化作業が実施されつつある。