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3 少年の刑事裁判 III-43表 少年の罪名別通常第一審有罪人員(昭和50年〜52年) 家庭裁判所から刑事処分相当として検察官に送致された少年は,前述のとおり,その大部分が略式手続によって処理されており,公判請求されるものはごく一部である。III-43表は,昭和50年以降3年間に略式手続でない通常第一審において有罪裁判を受けた少年の科刑状況を見たものである。52年における有罪人員総数は536人であり,大部分は有期刑である。不定期刑を受けた者は112人である。不定期刑は,長期3年以上の有期の懲役・禁錮に処すべき事件において,少年に実刑判決を言い渡すとき,長期(10年を超えることができない。)と短期(5年を超えることができない。)を定めて宣告される。定期刑の大部分には,執行猶予が付されているが,有期の懲役・禁錮全体について執行猶予率を見ると,50年の69.3%から52年の77.5%まで逐年上昇している。しかし,執行猶予者のうち保護観察に付されるものの比率は,この3年間で大きな変化はなく,52年で25.6%となっている。52年の有罪人員を罪名別に見ると,業過及び道路交通法違反の両者で全体の71.8%を占めており,窃盗(6.0%),傷害(3.0%)がこれに次いでいる。執行猶予率は,全員が実刑となっている殺人及び強盗致死傷を別にすれば,強姦(36.4%),窃盗(37.5%)などで低く,放火及び覚せい剤取締法違反ではいずれも100%となっている。なお,通常第一審の裁判所は,審理を進めた結果,刑事処分よりも保護処分が相当であると認めたときには,事件を家庭裁判所に移送することができるが,このようにして移送された者は,50年に11人,51年に6人,52年に4人と逐年減少している。 |