3 犯歴の偏在現象 昭和53年版犯罪白書で紹介した38万人の電算化犯歴データの分析によって明らかになった犯歴の偏在現象は,前述のように,今回の50万人を対象とする電算化犯歴データの分析によって更に実証され,全人員のわずか5.8%にすぎない前科5犯以上の者が全犯歴の23.5%を占め,また,実刑前科については,人員の9.1%を占めるにすぎない5犯以上の者が,犯歴の28.8%に及ぶ実刑前科を有することが判明した。アメリカのコロンビア特別区における「路上犯罪」事件の逮捕者で,逮捕件数の24%が,全被告人のわずか7%の者によって占められているという特定少数者への犯歴の偏在現象が示されているが,我が国の場合と興味ある相似性を示すものと言えよう。
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