前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和54年版 犯罪白書 第1編/第2章/第1節/4 

4 爆発物・火炎びん使用事犯

 昭和53年における爆発物使用事犯は,I-24表のとおり,1件にとどまった。これは,元旦に東京都板橋区内のアパートで発生した誤爆事件である。

I-25表 火炎びん使用事犯検察庁受理人員及び火炎びんの使用・押収状況(昭和44年〜53年)

 昭和44年以降における火炎びん使用事犯は,I-25表のとおりである。53年における検察庁受理人員は312人で使用本数4,116本,押収本数3,185本となっている。前年より使用本数で約2.5倍,押収本数で約20倍の増加となったのは,成田闘争のためである。このように成田闘争で大量の火炎びんが使用・押収されたのに対し受理人員が比較的少なかったのは,不法事犯の多くが,成田現地の地理的条件などを巧みに利用し,検挙逃れを主眼とするゲリラ活動であったことなどによるもので,ゲリラ戦術が巧妙化しつつあることがうかがわれる。