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4 出院者の成行き 昭和49年に全国の少年院を出院した者のその後3年間の成行きについて,法務総合研究所で行った調査の結果は,IV-62表のとおりである。資質・環境等の負因にもかかわらず,その8割以上の者が再び非行によって少年院等に再収容されることなく社会生活を継続していること,また,戦後,世相の混乱が続き,少年院も著しい過剰収容の状態にあった32年当時は,出院後3年間に出院者の5割以上の者が再収容されていたのと比べて,再入率の著しい低下が見られる。この成行調査によって,環境調整の良否と再非行の有無との関係などを見ると,少年院出院者の社会復帰については,本人の努力はもとよりであるが,適切な矯正処遇,保護観察等とともに,家庭や地域社会等の理解と協力・援助の重要性を指摘することができる。
IV-62表 少年院出院者の成行き |