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1 新収容者の特性 昭和52年の新収容者数は3,277人であり,24年以降のすう勢はIV-3図のとおりで,50年以降増加傾向にある。52年の新収容者の内訳は,男女別にそれぞれ,初等少年院においては279人,113人,中等少年院においては2,284人,186人,特別少年院においては242人,5人,医療少年院においては142人,26人,計2,947人,330人である。52年においては前年に比べて615人の増加であり,この増加は前年に引き続くものであるが,特に,後述するように,52年6月から少年院の新しい運営が開始され,短期処遇対象の少年が加わったことによるところが大きい。しかし,この新収容者数は,近年における家庭裁判所の年間終局決定人員約40万人の1%にも足りない数値であり,資質,環境又は事犯内容において問題の著しい者が収容されている状況にあると言えよう。
IV-3図 少年院新収容人員の推移(昭和24年〜52年) IV-56表 新収容者の年齢別構成比(昭和50年〜52年) IV-57表 新収容者の非行名別構成比(昭和50年〜52年) 新収容者を年齢別構成比で見ると,IV-56表のとおりで,男子のほうに年齢の高い者が多く,女子のほうは逆に年齢の低い者が多くなっており,女子の低年齢化は前年に引き続いている。新収容者の非行名別構成比は,IV-57表のとおりで,全体としては,例年のとおり窃盗によるものが圧倒的に多く,最近の傾向としては,強姦・わいせつ,強盗によるものが漸減し,覚せい剤取締法違反,道路交通法違反を含む特別法犯によるものが漸増している。男女別に見ると,男子では窃盗に次いで,強姦・わいせつ等の性犯罪や傷害,恐喝等の粗暴犯の占める割合が高い。女子においては虞犯の占める割合が最も高いのが特徴的であり,最近の傾向としては窃盗が減少し,粗暴犯,薬物事犯,虞犯が増加している。 新収容者のうち,保護処分歴のある者は2,542人(77.6%)で,うち少年院送致処分歴のある再入者は448人(13.7%)であり,共に前年に引き続き増加している。 IV-58表 新収容者の教育歴別人員(昭和50年〜52年) IV-59表 新収容者の非行時の職業別人員(昭和50年〜52年) 新収容者の教育歴及び非行時の職業は,IV-58表及びIV-59表のとおりで,教育歴については,中学卒業及び高校中退が8割以上を占め,特に高校中退者の増加が続いている。職業については,例年のとおり無職者が多い。新収容者の精神状況については,精神薄弱4.1%,精神病質0.9%,その他の精神障害2.4%であって,少年鑑別所新収容少年のそれと比較して,精神障害者の比率が幾分高くなっている。 その他,最近における収容少年の特質としては,共犯化の傾向が挙げられる。 |