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 昭和53年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/4 

4 教化活動

 累犯受刑者に対する教化活動も活発に行われている。III-7図は,昭和50年に法務総合研究所が行った調査により,施設の教化活動一般について,B級系統受刑者の参加人員をA級系統受刑者のそれと対比して見たものである。総じてB級系統の受刑者については,A級系統受刑者と比較して,施設内の規律・秩序の維持及びその生活態度,更生意欲に問題が多いことから,保安及び警備を厳重に行い,接遇に当たっては職員は厳正な態度で臨むことが要求されるが,同時に,教化活動にも力点が置かれており,教化活動への参加人員の比率では,教科教育及びクラブ活動を除いて,A級受刑者との差異はほとんど見られない。また,B級受刑者の処遇分類級の中で大多数を占めるG級に対する処遇については,道徳教育を積極的に行うとともに,集団訓練を活発にし,容姿・服装の端正,清潔・整頓,礼儀作法等に気を付けさせることに主眼が置かれている。更に,生活指導を充実させるため,施設によっては,所内生活の心得や社会生活上必要な事項を盛り込んだ「生活手帳」を貸与し,在所中の生活を記録させ,自己啓発に努めさせたり,酒癖により犯罪を繰り返す者に対し,断酒会を作ったり,集団カウンセリングを行い,酒癖を矯正するなどの例がある。

III-7図 収容分類級別教化活動参加人員の比率(昭和50年4月現在)