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 昭和53年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/2 

2 処遇の重点

 まず,B級受刑者を収容する施設の概要を述べると,受刑者の構成は,窃盗・詐欺の罪名の者が40%前後を占め,また,暴力団関係者が30%前後を占めている。これらの受刑者は,生活態度,更生意欲等において問題が少なくないため,処遇分類級としては,G級(生活指導を必要とする者)に編入されることが多く,B級受刑者全体の60%を超える者がこのG級に指定されている。
 このような累犯受刑者に対する処遇の重点事項としては,[1]労働の意欲及び習慣を助長すること,[2]収容者間の人間関係,特に派閥関係に注意すること,[3]保護引受人との関係の改善に努めること,[4]特に,身寄りのない者,病者等については更生保護施設,社会福祉施設等の関係機関と緊密に連絡を取ることなどが挙げられる。その他,[5]心身に障害のある者に対する適切な医療及び養護的処遇の推進にも努力が払われている。