刑務所，少年刑務所及び拘置所は，受刑者・未決拘禁者(勾留された被疑者及び被告人をいう。)等を収容する刑事施設であるが，同時に，受刑者に対する矯正処遇を行ってその改善更生・社会復帰を図る矯正施設でもある。
　施設数は，昭和53年4月1日現在，本所74(刑務所58，少年刑務所9，拘置所7)，支所114(刑務支所9，拘置支所105)であり，これらの1日平均収容人員を昭和40年，45年及び最近3箇年について見てみると，II-36表のとおりである。52年は4万7,903人(うち，女子は1,207人で全体の2.6%に当たる。)で，前年に引き続いて973人の増加となっている。このうち，受刑者は，3万9,225人で，全収容者の81.8%を占め，前年に比べて756人の増加である。なお，未決拘禁者については，被告人で8,100人，被疑者では363人であり，254人の増加及び16人の減少となっている。

II-36表　刑務所・拘置所1日平均収容人員(昭和40年，45年，50年〜52年)

　次に，入出所の状況を受刑者について見たのが，II-37表である。昭和52年の入所人員は，2万9,143人であり，そのうち，新受刑者(入所度数のいかんを問わず，裁判の確定により，新たに入所した懲役・禁錮・拘留の自由刑受刑者をいう。以下同じ。)は2万7,680人，仮釈放の取消しなどによる復所者は1,463人となっている。入所人員は，前年に比べて258人の増加であり，ここ3年間漸増の傾向にある。出所人員は2万8,022人で，その内訳は，満期釈放1万2,709人，仮釈放1万4,381人，その他執行停止などによる出所人員932人である。満期釈放者と仮釈放者との比率は，46.9%と53.1%であり，前年に比べて若干満期釈放の比率が増加し，仮釈放の比率が低下している。

II-37表　受刑者の入出所事由別人員